ACモーターは発電可能ですが、その発電能力は動作モードによって異なります。ACモーターは本質的に「モーター」と「発電機」が一体となったもので、その基本原理は電磁誘導の法則に基づいています。「電気」機能と「発電」機能の切り替えは、エネルギーの入力方法(電気エネルギー → 機械エネルギー、または機械エネルギー → 電気エネルギー)を変更することによってのみ実現されます。
1、 核となる原理:電磁誘導の「双方向性」
ACモーターの「電気モード」と「発電モード」はどちらも電磁誘導に基づいており、唯一の違いは「エネルギーの流れの方向」です。
電気モード(消費電力):外部入力AC電源→固定子巻線が回転磁界を生成→磁界が回転子(導体または巻線)を駆動して磁気誘導線を切断→回転子が誘導電流を生成→電流が磁界内のアンペア力を受ける→回転子の回転を駆動(電気エネルギー→機械エネルギー)。
発電モード(発電):外部の機械的力(エンジン、風車、水車など)によってローターが回転する→ローター(永久磁石または励磁巻線)によって発生した磁場がローターとともに回転する→ステーター巻線によって磁気誘導線が切断され、回転する→ステーター巻線が交流起電力を誘導する→負荷に接続した後、交流電流を出力する(機械エネルギー→電気エネルギー)。
2、交流モーター発電の3つの重要な条件
すべてのACモーターが電源を入れるだけで発電できるわけではありません。有効な電気エネルギーを出力するには、以下の3つの基本条件を満たす必要があります。
1. 「回転磁場」(磁気源)が存在する必要がある
固定子巻線に起電力を誘導するには、まず「可変磁場」(回転磁場が最も典型的な形態)が必要であり、その磁場源は2つのカテゴリに分けられます。
永久磁石型:回転子自体が永久磁石(永久磁石同期モータなど)であり、追加の電源を必要とせず、回転時に回転磁界を直接発生します。構造がシンプルで、小型発電機(家庭用風力タービンやポータブル発電装置など)によく使用されます。
励起タイプ: ローターは一般的な巻線 (非同期モーターや同期発電機など) であり、ローターに磁場を生成するために外部からの「励起電流」(DC または AC) が必要です (電磁石と同様)。
2. 「機械的な駆動力」(逆トルクを克服する力)が必要である
発電の本質は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換することであるため、ローターを回転させる外部の機械力が必要であり、速度は次の 2 つの要件を満たす必要があります。
「同期速度」以上(同期モーターの場合):同期モーターの発電周波数(50Hzなど)は速度と厳密に関係しており(式:速度n=60f/p、fは周波数、pは極数)、安定した出力周波数を確保するために機械力で速度を正確に制御する必要があります(発電所の蒸気タービン発電機など)。
スリップ率に対応する臨界速度以上(非同期モータの場合):非同期モータが発電する場合、ステータ巻線が磁界を切断して電気エネルギーを生成するために、ローター速度がステータ回転磁界の速度(「超同期速度」)よりわずかに高くなければなりません(そうでない場合は、「電動動作」のみになります)。
3. 「閉ループ」(負荷またはエネルギー貯蔵)が必要です
固定子巻線は「交流起電力」を誘導しますが、これを閉回路(抵抗負荷、バッテリー、電力網など)に接続して「交流電流」を形成する必要があります。開回路(無負荷)の場合、起電力のみが存在し、電気エネルギーは出力されず、高電圧により巻線絶縁が損傷する可能性があります。